◆雇用保険関係の様式
平成28年1月以降、事業主が従業員から個人番号を収集したうえで記入し、ハローワークへの提出が必要となる雇用保険関係の主な様式は次の通りです。
・雇用保険 被保険者資格取得届
・雇用保険 被保険者資格喪失届
・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書(※)
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(※)
・介護休業給付金支給申請書(※)
(※)事業主が提出することについて労使間で協定を締結したうえで、できる限り事業主が提出することになっています。
◆本人確認(個人番号・身元(実在)確認)の方法とポイント
事業主(個人番号関係事務実施者)による本人確認(個人番号・身元(実在)確認)には、「対面・郵送」、「オンライン」、「電話」の3つの方法があります。
本人確認のポイントは、次の通りです。
(1)雇入れ時などに運転免許証等により本人であることの確認をしている場合であって、本人から直接対面で個人番号の提出を受ける場合は、身元確認のための書類の提出は不要。この場合には、次のいずれかの書類による個人番号の確認が必要。
・個人番号カード
・通知カード
・個人番号の記載がある住民票の写し・住民票
記載事項証明書 等
(2)(1)に該当しない場合は、①または②の方法で個人番号の確認と身元確認が必要。
①個人番号カード
②通知カード又は個人番号の記載がある住民票の写し・住民票記載事項証明書 + (A)~(B)いずれか
(A) 以下の書類のいずれか一つ
運転免許証/運転経歴証明書/旅券/身体障害者手帳/精神障害者保健福祉手帳/療育手帳/在留カード/特別永住者証明書/官公署が発行した写真付き資格証明書など
(B) (A)が困難な場合は以下の書類から2つ以上
公的医療保険の被保険者証/年金手帳/児童扶養手当証書/特別児童扶養手当証書など
◆6割以上が誤送信の経験あり
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社が、勤務先における誤送信について行った調査によると、メールの誤送信を経験している従業員の割合は64.6%にも上ることがわかったそうです(対象:全国の企業に勤める従業員1,102名、情報システム管理者332名)。
実際に起こったメール誤送信の内容として、「宛先間違い」に加え「添付ファイル間違い」、「Bcc指定をToやCc指定としてしまう」など、情報漏洩につながる誤送信も多数起きているようです。
◆業務に不可欠だからこそ対策が必要
個人情報保護法の改正、マイナンバー制度の施行、公的機関・大企業等による情報漏洩問題等、最近は企業においてもセキュリティ対策が強く求められるような状況が続いています。
その中でも、従業員が使用しているメールによって情報が漏洩してしまうようなケースは多いようです。
現代では業務でのメール使用は不可欠なものとなっていますが、同時に常日頃使用するものであるだけに、従業員が何らからのミスをしてしまうリスクは常に存在していると言えます。
◆社内ルールが周知されていない?
一方、同調査によると、「社外とのメールの送受信に関して、勤務先ではルールがありますか?」との問いに対して、従業員側は「特になし」(61.3%)とした回答が最も多く、企業(情報システム管理者)側の「ルールあり」(64.5%)とした回答と比べて、かい離があります。
社内のルールが従業員に十分には周知されていない実態もうかがえます。
◆改めて必要になる社内周知
昨今の大企業等による顧客情報・機密情報の流出事件を受けて、社内・取引先からの情報漏洩対策の必要性を強く感じるようになってきた従業員は増えていることでしょう。
企業からも、改めて禁止事項、社内ルール等に関する社内アナウンスの実施やセキュリティ対策ソフト等の導入など、企業の実態に即した対策を検討していく必要があります。
◆60代になっても働いている人が増加
高齢者の活用ということについて、改めて注目されるようになっています。
60代を対象にした仕事や生活の実態、意識などに関する調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構、平成26年実施)の結果によると、次のようなことが明らかになりました。
◆就業状況
60代の就業状況は、前回(平成21年)の調査と比較すると、次のようになっています。
・65~69歳の層で定年後継続雇用の割合が上昇(17.2%→24.0%)
・定年直後に無業であった割合が低下(60~64歳層:18.2%→13.0%/65~69歳層:28.4%→18.4%)
・定年経験者が60歳台後半で引退している割合が低下(28.3%→24.5%)
・定年を経験していない人においても65~69歳の層で55歳時と同じ会社で勤務している割合が上昇(6.1%→10.8%)
◆高い就業意欲
60代の仕事についていない方のうち26.0%が就業を希望しているようです。
60代前半層の不就業者(男性)では、42.9%が就業を希望しており、就業を希望している60代の高年齢者が多数存在していることが明らかになっています。
◆定年後雇用継続における仕事と賃金
定年到達後の仕事内容の変化については、「変わっていない」49.0%(継続雇用者50.7%)とする回答が最も多い一方、定年後の賃金額については、「減少した」41.9%(継続雇用者80.3%)が最も多く、その減少幅は「41~50%」19.1%(継続雇用者24.2%)が最も多くなっています。
賃金が下がったことについては、是認派(しかたがない・やむを得ない)と否認派(おかしい・下がりすぎだ)の割合はほぼ同じとなっています
◆高齢者の賃金制度
将来的に日本の労働力人口は減少していきます。
高年齢者に納得して働いてもらうためには、高年齢者の賃金制度のあり方を再検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。
◆運賃値上げの機運が高まっている
「運賃、高くなったなあ…」、製品を出荷するたびに、そんなふうに感じている事業者の方も多いのではないでしょうか。
現在、一部の物流大手では運賃の値上げに踏み切っています。まだ業界の一部の動きではありますが、物流業界全体で運賃値上げの機運が高まっているとの指摘もあり、今後、中小・零細企業がこれに追随することも十分考えられます。
◆物流業界の人材不足が1つの要因
物流という観点から日本経済を下支えしているトラック運送業界では、人材不足が深刻です。
積荷の量が増え、その荷を運ぶためのトラックの用意はできていても、運転するドライバーの数が足りないという運送業者が増えています。
物流業界は「長時間労働・低賃金」というイメージが先行しており、なかなかなり手もいないのが現状です。
そのような中でトライバーを確保するためには、労働環境を整備することも求められることとなり、これが運賃の値上げに跳ね返っているという面もあります。
◆国も荷主へ協力依頼
平成27年5月には、厚生労働省・国土交通省共催で、取引環境の改善および長時間労働の抑制を実現するための具体的な環境整備等を図ることを目的として「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」が開催されました。
この協議会では、平成31年4月までにトラック輸送における長時間労働の抑制に向けて、全国でトラック運送事業における長時間労働の実態調査を実施するなど、今後も議論を進めることとしています。
長時間労働の是正も賃金の引上げも、荷主側の協力がなければ果たすことができません。この点、協議会には大手荷主も参加しており、今後は協力が求められる部分が増えることとなりそうです。
◆「時間単位年休制度」とは?
働きやすい職場環境の構築に役立つとされ、厚生労働省もその導入を推奨する「時間単位年休制度」。
労働基準法39条では年次有給休暇について規定されており、6カ月以上継続勤務し、かつ8割以上出勤した従業員に対して10日間の有給休暇が与えられることになっています。なお、日数は勤続年数に応じて増加していきます。
従来、日単位または半日単位での年休取得が認められていましたが、2010年の法改正により、時間単位での有給休暇の取得が認められるようになりました。
この制度を導入している企業は10%ほど(同省「就労条件総合調査」)のようですが、職場環境の良さをアピールできれば、採用にプラスとなるかもしれません。
なお、時間単位年休制度を導入するには、(1)就業規則の変更、(2)労使協定の締結が必要となります。
◆「短時間勤務制度」とは?
3歳に満たない子を養育する従業員については、従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けなければならないとされています(育児・介護休業法)。また、就業規則等に明記して制度化することが必要です。
必ず導入しなければならない制度であれば、それを有効に活用することも必要でしょう。
ただ最近、資生堂の有給休暇、短時間勤務制度の方針転換が報道され、「資生堂ショック」などと言われています。
同社では女性が多い職場ということもあり、20年以上も前から先進的に制度を導入してきました。しかし、短時間勤務の伸展にともない売上が大きく減少してしまったとのことです。
育児時間を取るのが当たり前になってきて、“甘え”が出てきたり、取るという権利だけ主張したりという状態になっていたとも報道されています。
また、従業員の間でも、業務量の偏りや取得者の配慮のなさからの不公平感も大きくなってきていたようです。
◆シフト等の工夫も
人材獲得のためには、制度を整えるほかにシフト等を工夫し、かつそうした働きやすさを求職者にわかりやすくアピールすることも有効ですが、導入の仕方には検討するべきポイントも多いようです。
◆職場で嫌がらせを受けたことがある人は約9割
全研本社株式会社が運営する働き方と天職を考えるウェブマガジン『瓦版』が、サイトユーザーを対象に実施した職場のハラスメント調査(回答者316人。男性139人、女性177人。年代は、10代2人、20代121人、30代100人、40代70人、その他23人)によると、「会社で嫌がらせを受けたことがある」と答えた人が9割に上ったことがわかりました。
◆「モラルハラスメント」がトップ
受けたことがある嫌がらせの種類としては「モラルハラスメント」と答えた人が83.2%、以降、「エイジハラスメント」(25%)、「セクシュアルハラスメント」(21.5%)、「アルコールハラスメント」(15.2%)等と続いています。
その他、「スモークハラスメント」「テクノロジーハラスメント」「マリッジハラスメント」「スメルハラスメント」「パワーハラスメント」「マタニティハラスメント」と挙がっていますが、ハラスメントにも様々な種類があることがわかります。
◆具体的な事例
具体的にどのような嫌がらせと受けたかというと、「気に入らないという理由だけで根拠のないうわさを社長へ話す」、「休日にメールで文書による嫌がらせ」、「同じミスでも若い子には怒らず50代の私は叱責される」、「明らかに無理な勤務内容」などの事例が並びました。
「嫌がらせ」の内容は様々ですが、中には「暴力を受けた」など明らかに問題のある事例も挙がっています。
◆ハラスメントを放置することのリスク
今回の調査では「嫌がらせを受けたことがある」と答えた人が9割と、かなり多い結果となっています。
「嫌がらせ」と受け取られる事例にも様々あり、ある行動を「嫌がらせ」と受け取るかどうかは、受け取り側の主観もある程度影響しますが、社員が「嫌がらせ」を認識してストレスを感じている場合、メンタルヘルスの問題や労使トラブルの原因にもつながり、そのような状況を放置することは、会社としてリスクが伴います。
また、ハラスメントが蔓延しているような状況では、企業の生産活動にも大きな影響を与えかねませんので、社内風土の改善という意味でも、社員の態度や社員間のやり取りには会社としても必要な範囲で目を配っていくことが求められるでしょう。
◆70歳以上まで働ける企業は過去最高に
厚生労働省が2015年の「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)を発表し、希望者全員が65歳以上まで働ける企業が10万8,086社(前年比4,500社増)となり、割合は72.5%(同1.5ポイント増)となったことがわかりました。
今回の集計対象は常時雇用する労働者が31人以上の企業(約15万社)となっています。
なお、条件付きを含めて70歳以上でも働ける企業は約3万社に上り、比較可能な2009年以降で過去最高を記録しています。
◆中小企業の取組みのほうが進んでいる
希望者全員が65歳以上まで働ける企業については、約11万社のうち、中小企業が9万9,952社(同1.6ポイント増)、大企業が8,134社(同0.8ポイント増)となっています。
また、希望者全員が70歳以上まで働ける企業については、約3万社のうち、中小企業が2万7,994社(同1.2ポイント増)、大企業が1,957社(同0.9ポイント増)となっています。
◆高年齢者雇用確保措置の実施状況
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの安定した雇用を確保するため、1946年4月以降に生まれた従業員に対して、企業に「定年制の撤廃」「定年年齢の引上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付けており、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況の報告を求めています。
全体の状況としては、同措置を実施済みの企業は99.2%(14万7,740社、同1.1ポイント増)となっており、企業規模別でみると、中小企業では99.1%(13万2,318社、同1.1ポイント増)、大企業では99.9%(1万5,422社、同0.4ポイント増)となっています。
◆今後の取組みは?
高年齢者雇用確保措置を実施していない企業(31人以上規模企業)が1,251社あることから、同省ではこれらの企業に対し、都道府県労働局やハローワークを通じて重点的な個別指導を実施するとのことです。
その他、高年齢者が年齢にかかわりなく働き続ける「生涯現役社会」の実現に向けて、ハローワークに65歳以上の求職者専門の窓口を設けるほか、2016年度からは65歳以上の従業員を多く雇う企業への助成金を拡充するなど、高年齢者の雇用環境を整える方針です。